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 マグネシウムの規格    ◆マグネシウム合金の規格  
    マグネシウムのJIS規格は、主にISO規格に準拠されています。ISO規格で不十分な部分はアメリカのASTM規格を参考するなど、国際的にも通用するような内容になっています。 マグネシウム合金の規格タイトル一覧表(PDF 97.6KB)  
 マグネシウムの種類    ◆マグネシウム合金の種類  
     構造材用として使用されるマグネシウム合金は、それぞれの用途に応じて、Al、Znなど添加元素を加えて使用します。これらは結晶微細化方法の違いにより、Mg-Al系およびMg−Zr系の2種類に大別されます。  
     @鋳造用マグネシウム合金(含:ダイカスト用合金)  
     合金元素としては、強度と鋳造性を得るための基本元素Al、Zn、結晶微細化のためのZr、耐熱性をもたせる希土類元素がある。鋳造用マグネシウム合金の化学組成と機械的性質(日本マグネシウムにリンクします)(含:ダイカスト合金)を表に示す。
 
     (@)Mg−Al−Zn系合金  
     Alを9%、Znを1%含むAZ91系は機械的性質や鋳造性などバランスの取れた代表的なマグネシウム合金でダイカスト合金として最も多く使用されている。特に、AZ91D合金は、高純度耐食性合金として、自動車、コンピューター、携帯電話、各種ハウジング類、スポーツ用品など多岐にわたって使用されている。またチクソモールディング(プラスチック成型機である射出成型機を用いてマグネシウム合金を成型加工するプロセス)でも、このAZ91D合金が主に用いられている。
AZ系では、AlとZnの含有量によって異なるが、α固溶体と、β-Mg17Al12化合物Mg32(Al、Zn)49化合物のいずれかが、また両方の化合物が共晶として晶出する。溶体化処理・時効により、粒界反応析出が起こり、粒界における偏析が著しい。
 
     (A)Mg−Zn系合金(ZK51A、ZK61A)  
     Znを添加すると、耐食性は良くなる。341℃でZnは8.4mass%固溶し、温度の低下とともに減少し、150℃で1.4mass%となる。引張強さはZnが4mass%付近で最大となり、それ以上添加量が増えても減少する。伸びはZnが2%付近で最大を示す。
Mg-Zn系合金はZnの固溶硬化とMgZnの中間相の析出硬化により強さが増すが、さらに機械的性質を向上させるため、Zr添加により結晶粒微細化を図る。Mg-Zrは、包晶反応系で、Zrを添加すると、α相中央部にZrに富んだコア組織が形成される。Zr添加による結晶粒微細化効果は、Al、Mnを含む合金系ではみられない。
 ZK61Aは実用鋳造用マグネシウム合金で最大の比強度を持つ合金の一つであり、この合金系は常温での強度と靭性に優れた高力合金である。
 
     A展伸用マグネシウム合金  
      展伸用マグネシウム合金の化学組成と機械的性質(日本マグネシウムにリンクします)を表に示す。マグネシウム合金は塑性加工性が劣るため、展伸材の利用は鋳造材に比べ少ない。展伸材はおもにMg-Al-Zn系とMg-Zn-Zr系がある。

(1)Mg-Al-Zn系合金(AZ31C,AZ61A,AZ80A)
 Alを3%、Znを1%含有するAZ31系は、固溶硬化と加工硬化で強化して、板、管、棒、形材として最も多く使用されている。また、この合金は成形性、溶接性にも優れている。最近では、Alを6%含有する、AZ61、AM60合金や、これまで鋳造用として使用されてたAZ91合金も使用されはじめている。

(2)Mg-Zn-Zr系合金(ZK60A)
Zrを微量添加し、結晶粒を微細化して用いる。また、Zr添加により、熱間加工性が向上する。この合金は熱処理により耐力が向上し、耐力/比重の比強度が大きい。
 
       




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